頭蓋オステオパシーIII
先日6日間の頭蓋オステオパシーIII授業を受け仙台に帰ってきて、又すぐ福島でオステオパシー誇張法の勉強会に参加という忙しい日々を送っておりましたがようやく落ち着いて来たのでブログにまとめようと思います。
今回の頭蓋オステオパシーIIIの内容は
神経学的な観点から観た頭蓋オステオパシーといった内容でした。
特に脳神経を中心に眼、鼻、耳、口腔、咽頭、喉頭などの解剖病理学
頭痛、顔面神経麻痺、(ベル麻痺)等に対するオステオパシー的アプローチの仕方などを学びました。
そして最終6日目はクリニカの授業で、いくつかのグループに分かれ1つの症例に対してみんなで議論しあい
オステオパシーがその症状に対して助けになるのか、鑑別診断はどう行ったか?
どの様なオステオパシーテクニックがその方の助けになるのか?
などを一人一人意見を述べみんなで話し合いを行いました。
その時は「あ〜今回もいい勉強になったなぁ〜」くらいの気持ちで仙台に帰ってきて
いつも通りの生活に戻ったのですが
ふと、今日はちょっと前回のケーススタディーの事を思い出していつもより少し問診に時間をかけてみようかなと思い行ってみました。
その方の主訴は偏頭痛
既往歴は
小学生の頃に交通事故で車に跳ね飛ばされた経験がありその後の病院の検査では特に異常なし
その2年後くらいに徐々に視力が落ちてきて乱視と診断されメガネをかける生活になる
その頃から頭痛を覚える。
その後、20代の頃に子宮内膜症 30代でチョコレート囊胞で卵巣摘出手術
出産にまつわるエピソード
へその緒が首に巻きついていたが自分の手がへその緒と首の間に入って呼吸を確保していたと言われたらしい
外傷は交通事故での転倒 20代の時空手を少しその時何度か首と頭を打っている
必要と思われる外科的テスト、オステオパシー的テストを行い施術の準備が整いました。
患者さんの脚に触れ傾聴していると右足首の所に動きの悪い関節があるのでそこをリリース
次に右肩のあたりが全くスッカラカンの様な状態に思えたので、ふと交通事故の時どちらからぶつかりましたか?と尋ねると右からとの事
それではと思い右肩の支点を通して身体からの要求を確認すると右手首の所にある動きの悪い関節があるのでそこをリリースしていると右の下腹部に意識がひかれ、次に右の耳、横隔膜と患者さんの身体が自ら治療し始める
暫くすると患者さんから「何だかわからないけど涙が溢れてきます」
私はそのまま感情をコントロールしないでなすがままにしていて下さいねとアドバイス
そこで見えてきたものは交通事故にあった時、おそらく右側から転倒し右足首や右手首を強く打った衝撃が右の卵巣に留まりそこからシステムが狂い始めた物と思われます。
又右の耳はよく中耳炎になって右耳から膿が出て耳鼻科で怖い思いをしたのを治療中に突然思い出して涙が出てきたそうです。
その原因はおそらく出産時にへその緒が首に巻きついていた事によって首にストレスがかかり関係のある側頭骨(耳がくっ付いてる骨)の動きが悪いまま成長した事によるものと思われます。
今までの事で1番大切な事は今ある偏頭痛という症状が偶然最近起きたのではないという事です
考えられる原因はいくつかあります
1 出産時にへその緒が首に巻きついていた事
2 交通事故で手首や足首の他におそらく首も打っている可能性がある
3 その後徐々に視力が低下してメガネをかける生活になった(視神経周囲の排液がうまく行われてない可能性)
4幼少からの中耳炎による右耳からの膿(内耳神経、顔面神経周囲の排液がうまく行われてない可能性)
等これらの事が主に考えられます。
そこで我々が1番やらなければならない事はその方の人生の中心軸を軌道修正する為にはどこを治療すれば良いのかを見つける事です。
偏頭痛という主訴に囚われすぎずその方の過去の人生で何があったのか、
どこで人生の中心軸がずれてしまったのか
この方の場合は右足首、右手首と両方の側頭骨
この3点を治療する事で偏頭痛は劇的に改善されました。
何故治療はうまくいったのか?
偏頭痛が起きたきっかけを問診で聞き出す事に成功し、本来の原因に対してアプローチできた事。
これを問診をおろそかにして、偏頭痛は首と頭をやれば楽になる!
と決めつけて治療するのはその場しのぎの対処療法
今後の人生で偏頭痛がない生活を送れる様にする事が
オステオパシー治療です。
問診が大切な事と言うのは理解していたつもりですが
前回のセミナーから目の前の患者さんより教えて頂きました。
これからも問診にはしっかり時間をかけて患者さんとコミュニケーションを取れていければと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
オステオパシー内田治療院
内田 好治
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